育メンという言葉が認知され、働く女性を後押しする制度がこれだけ認知されるようになってきても、まだまだ男性が家事育児に協力することへのハードルは高いな、と感じた話。

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我が家の夫は週に一度自宅勤務を行って、その日は保育園の送りもお迎えも行ってくれる。
それ以外の日も送りは基本的に行ってくれて、お迎えも事前に連絡して調整した上でだけど協力してくれる。

その上私の母が週に一度お迎えを買って出てくれているので、
多分、保育園に行く回数は夫の方が多い。


その上で家事も結構分業化が進んでいて、
食材だったりいろいろな家のものの買い物と、料理は基本的に私。

洗い物(と言っても食洗機に入れたり、食洗機から片付けたりがメイン)、洗濯(乾燥機付きのドラム式なので、下洗いをして入れて、洗濯機のゴミを取る、あとは畳む程度)については夫がやることが多い。

生ゴミの処理だったりゴミ捨ても基本夫。
と言ってもディスポーザーがあるので生ゴミは流すだけ、ゴミ捨てもマンションの同じフロアにゴミ置き場があるので持って行くだけ。


目に見えて、必要性に気が付くことができるタスクは夫でもできるので夫が行い、
食材のストックが切れてるとかそろそろ換気扇の拭き掃除しないととかシーツ替えないととか、今の状況を頭に入れた上で定期的に気付いて動かないといけないことは私。

(掃除とかシーツ替えとか、ほんとは定期的にやるべきだけどなかなか回らないので割愛。最低限健康に行きていければ良いのです。)


ここまで分担が形になるまでにはいろいろと紆余曲折があったけど、
それはまた別のタイミングで書くとして。


日常的に行う必要があるのは、洗濯だったり息子周りの保育園準備だったり、
最低限やらないと回らないことのみ。
それでもちょこちょこと手はかかるので、夫には定期的にあれやって、これやってと言うことになる。


で、最近は夫も自分の分担タスクを認識して動いてくれるようになって、
夜のうちに食器を洗わないと朝ごはんの準備が滞ることや、
洗濯機を回しておかないと保育園のお着替えが足りなくなることをわかって自発的に動くようになっている。

本人に言うと甘えてしまうので言わないけど、正直、よくぞここまで、と感謝してる。
時間は掛かるけど現状を咀嚼して自分の行動を変えていく能力が高く、変なプライドや偏見もないのでかなり柔軟な部類だと思う。



で、本題に戻って。
その夫が会社で、家事がいろいろあって結構大変なんですよと愚痴ってたところ。
こんな愚痴が夫から出てくること自体、
ちょっと上から目線に偉い偉い、と思ってしまう。


結婚しているが奥さんは多分専業主婦のおじさん上司のコメント。

「忙しいって言うけど、家事って何があるの?」

これに対して、洗濯とか子供にご飯あげたりとか食器洗いとか、って答えたけど、
何か実感のこもっていない反応が帰ってきたらしい。


その話を聞いてずどーんと脱力してしまった。

あぁ、そんな初歩の初歩的なところからギャップなんだなと。


わからない、というのはとても難しい。
言葉で説明してもわからない。
やったことがないからわからない。
結局、経験に基づいた以外のものを真に理解するのはとても難しい。

ちょっとそれるけど、いくら恋愛マニュアルを読んでも恋愛が上手くはならなかったり、
ハウツー本を読んでもコミュニケーション上手にはなれないのと同じ話で。

腹落ちしていないものを理解するのはとても難しい話なのだ。
結局、奥さんが専業主婦で、ご飯を作ってくれて、帰ったらお風呂が沸いていて家中ピカピカで、
子供は既に宿題も済ませてぐーぐー寝ている、翌朝はトーストの匂いとともに起床して朝ごはんとコーヒーで送り出されてアイロンをかけてパリッとしたシャツを着てピカピカに磨かれた靴を履いて出かける人にはわからない。

朝出かけたままの朝ごはんの食器は流しに、息子が散らかしたおもちゃは床に、の家に帰宅して夕食の準備をしてお風呂を沸かして、
自分の分の服は自分で準備して靴は自分で磨かない限り前日脱いだ場所にそのままあって、
形状記憶のワイシャツを乾燥機付き洗濯機から取り出しそのまま着る生活はわからない。


映像を見ても地球の裏側の紛争地域のことは所詮他人なのと同じで、
専業主婦の夫であるおじさん上司には育メンの若手社員の生活は理解できないし、理解する必要性も今のところ感じていない。


偉い人にはそれがわからんのですよ。



女性は具体的に同じ温度で理解されているとは言い難いとはいえ、
まあ子供が1人増えたらよくわからんけどいろいろ忙しそうなのは理解できる。
だからまあ忙しいよね、という前提でその上で仕事とどうやって折り合いをつけて行こうか、という話になってくるけど、
育メンは子供が生まれたからといってまぁ男性は変わらんよね。
むしろ守るべきものが増えてより一層仕事に身が入っちゃうなぁ、くらいの認識しかされない。


ひいて言えば 、その育メンを夫にもつワーキングマザーとしては、
どうにかこうにか夫の理解と協力をとりつけ、女は家庭に入るもの、と言う旧世代の考え方を持つ親世代に理解を得たり闘ったりしたとしても、
更にその先に自分とは直接接点のない夫の上司まで立ちふさがる。

壁は、いくつ取り払っても、やっぱりある。

きっと本当にシステムとしてまわるのは今の奮闘している育メン世代が管理職になって、経験を元に部下の家庭に対する理解ができるようになってからなのかもなぁ。


でもそんなこと待ってられないこちらの身としては、どうしたもんかなぁと思う。
管理職の研修として、1日育メン体験とか、家事タスクを知ろうとかできないかしらね。


そういえばつとめて聞こえないようにしていたけど、うちの上司も、うちの奥さんは専業主婦で暇だからね、って言ってたなぁ。
きっと本当に1日遊んでると思ってるんだろうなぁ。