この人のすぱっとしたものの言い方は結構好きだ。
言っている内容が全てどうかは置いておいても、読んでいて気持ちが良いし、納得性が高い。





こちらは、オーディオブックで読了。
生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの/伊賀泰代

生産性を上げるにはという話ながら、イノベーションの話だったりが出てくるのはこの人らしい感じ。
内容もとても納得感が高く、今感じている問題意識に結構はまって、興味深く読みきった。

生産性を上げるには同じことをやる時間を短くするなど、コストを減らすことに着目しがちだけれど、同じコストで成果をあげることも生産性を上げるという至極当たり前なこと、でもその方法には目が向いていないということは気づきだった。

特に琴線を打ったのは、技術的イノベーションと非技術的イノベーションの話。
日本でイノベーションというと、新技術を使って何か役に立つかわからないものを開発、そのあと役に立つようになるという、
イノベーションが先行して後から価値を生み出す、そういうものだという意識があるけど、イノベーションにはもう一つある。

それが非技術的イノベーションで、既存の問題を新たな捉え方、仕組みで考えることにより解決するのがこれにあたる。
これは既存の問題に対する解決欲求があり、そこからイノベーションが生まれるという、考え方。
日本では後者のイノベーションに対する意識が圧倒的に不足しているのではないかという指摘。

技術的イノベーションのみがイノベーションだと考えていると、自分とは縁遠いものだと考えることが多そうだけど、
後者のイノベーションであれば、普段の自分の視座を広げて考えるだけで、誰でも出来うることになる。
大きな気づきをもらった内容だった。

内容もわかりやすく、単行本だが読みやすいボリュームなので、おススメ度★★★★☆。